Googleアナリティクスの資格は、Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)がGoogleの公式資格として用意されている。一般的にGoogleアナリティクスGoogleアナリティクスの略称はGA(ジーエー)と呼ばれており、Googleアナリティクス個人認定資格の英語表記は「Google Analytics Individual Qualification」であり、その頭文字を取って「GAIQ」と略称されることもある。「GAIQ」の読み方はそのまま「ジーエーアイキュー」。
はじめにGoogleアナリティクスの初心者がGAを学習するにあたり何から着手すればよいのか結論を述べておくと、『いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室』の書籍から入ることをお勧めする。この書籍は販売されているGA本をほぼ全て読んだ上で初心者にとってこの1冊が最良であると判断した上。
書籍から入ることに関してもう少し理由を説明すると、Googleアナリティクスの学習にあたりGoogleが用意した「アナリティクスアカデミーコース」のオンライン講座があるが、全くの初心者がここから入るとやや難解に感じるため。
当記事では、現役でWebマーケティングを実務で取り組んでおり、Googleアナリティクス個人認定資格を何回も毎年更新してきた経験を元に、難易度や勉強方法などを詳しく解説し、さらにGoogleアナリティクスを深く学んでいくにあたってのロードマップを解説する。
[su_table]資格名称 | Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ) |
公式サイト | スキルショップ |
資格有効期限 | 1年間 |
受験料 | 無料 |
合格ライン | 80%(56/70問)※不合格でも24時間後に再受験可能 |
合格率 | 非公開 |
試験形式 | スキルショップでのオンライン試験・選択形式 |
試験時間 | 90分 |
合格証書 | デジタル証明書 |
※正式な情報は公式サイトを参照すること。
≫ アナリティクス ヘルプ
・Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)の準備方法
目次
Googleアナリティクス個人認定資格の基本情報
資格取得のメリットはほぼない
- GAの最低限の知識の証明にはなる
GAはGoogleアナリティクスに関する知識を問う資格であるが、基本的な用語の概念はどの解析ツールでも共通しているので、解析系ツールを扱う上での最低限の知識は保有していることの証明にはなる。
- 履歴書に記載することができる
試験の難易度はともあれGoogleが発行している資格であるので対外的な印象はマイナスになることはない。かといって転職時に有利に働くことはない。その理由はGAに限らずよほどの高難易度の資格でなければ資格というものは意味を成さないから。まして名刺に記載するなど恥ずかしいので止めた方がいい。
難易度は? 初心者でも1ヶ月もあれば合格可能
GAの難易度はかなり易しいといってよく、初心者でも50〜100時間もあれば合格することが可能。
[su_table]難易度 | 勉強時間 |
一般的な検定試験の4級程度 | 50〜100時間程度 |
Googleアナリティクス個人認定資格の合格までのロードマップ
Googleアナリティクスをこれまでほとんど触ったことがなくGAの合格を目指しているユーザーを想定して解説する。
はじめにGoogleアナリティクスの習得にあたり最も重要なことを述べておくと、それは実際にGoogleアナリティクスを触りまくること。実際に操作してみることでデータの見方などは自然に覚えてしまうものなので、アナリティクスを操作して学習を進めることは必須。ただ、思い込みで間違った知識を覚えてしまっては元も子もないので、必ずGAの用語の概念は正確に理解して学習を進める必要がある。
- 環境構築(デモアカウントの設定)
GAの学習を進めるにあたっては、まずはGAを操作できる環境を用意する必要がある。Googleアカウントは既に持っていると思うの下記リンクよりGoogleアナリティクスにログインしブックマークしておくことをお勧めする。
次にGoogleが運営しているECサイトである「Google Merchandise Store」のアカウントを自身のGoogleアナリティクスのアカウントに追加することで、手元に分析材料となるデータがない場合でも代用して学習を進めることが可能になる。ちなみにデモアカウントの削除も簡単に行えるので、追加と削除については下記サイトを参照したい。
- 書籍でGoogleアナリティクスの全体像を把握
Googleアナリティクスの初心者が書籍から取り組むべき理由としては、正確な知識を体系立てて効率よく学べるため。避けた方がいいのは、ネット上で学習を始めようとすること。お勧めしない理由としては間違った情報が多いのと、効率が悪いから。
Googleアナリティクスの基礎的な学習を進めるにあたっては、断片的なトピックを拾い集めていくのではなく、一気通貫して知識を整理しながら学習を進めていく必要がある。なので書籍が何よりも適した学習教材となる。初心者にとって最適のテキストとしてお勧めしているのが『いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室』であり、GAIQの試験にも対応している内容でとてもわかり易い。
そもそも、たかが数千円の書籍代の投資を渋ることで、学習の効率性を下げることが分からないようであれば、まずサイトの分析よりも、自身の考え方を見直す方が先だろう。
より包括的に詳しくGAの学習を進めるのであれば手元に『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 』は置いておきたい。というかGAを日々活用しているのであれば、この書籍を持っていない人はほぼいないと思われるほどで内容がとにかく優れている。
またGAの初歩的な内容を対象にしたセミナーであれば受講する必要性はまったくない。なぜなら書籍で十分に対応可能であるから。あとそういった基礎の基礎を対象にしたセミナーだと、その講師が初心者レベルの知識しか持ち合わせていなかったり、実務経験がほぼなかったりするので、受講するだけ金の無駄になる。
- Googleアナリティクス アカデミーで対策
Googleアナリティクス アカデミーでは、「Googleアナリティクス初級者向けコース」と「Googleアナリティクス上級者向けコース」の2コースに渡りGAの試験範囲を必要最低限に押さえた上で学習を進めることができる。
本コースは動画形式となっているので、視覚的にイメージしやすいが、字幕であり解説に関してはポイントを押さえた最低限の情報であるので、はじめにこの動画を見ても頭に入ってこないのではないかと思う。なのでまず書籍から入ることをお勧めしている。
- 試験受験(自力で解くことの重要性)
試験はスキルショップのサイトにログインして、リンクをクリックすることで試験が始まる。リンククリックするといきなり試験が始まるので注意が必要。とはいっても24時間後に再試験は可能なので誤ってクリックしてしまった場合など、試験内容を軽く把握するために予行で試験を受けてしまってもいいかもしれない。
ちなみにこの試験は試験問題文などをコピペしてググれば分かると思うけど、答えを掲載しているサイトがあるのでカンニングが可能。ただそのような不正をしてまで試験に合格しても意味がないので止めた方がいい。というのは、カンニングしてまで試験に受かりたいですかね?仮に答えを見ながら試験に合格したとしてもカンニングした事実は消せないので心残りとなりすっきり思い切れない感じがずっと続くから。だったらカンニングなどせずに不合格になった方がよくないですか?ましてこんな簡単な試験でカンニングしないと受からないレベルであれば、合格しても全く意味がない。
Googleアナリティクスをさらに深く学んでいくためのロードマップ
Googleアナリティクスの資格を取得することはかなり容易なことであり、資格試験という紙切れ自体には何の意味もない。実際に初学者がGAの資格を取得したところで、自身のスキルとしてはほぼ何も変化は起こらない。
それもそのはず、上記のGA取得の学習をしたところで、ただの知識レベルでの正誤判定ができることと、実際のサイト改善にあたりGAを活用してサイトの分析・改善・検証していくこととはまた別の話だから。
Googleアナリティクスを学ぶというのは、本来このレベルから先のことを言うのであって、資格を保有していることは、ごくごく最低限の知識は持ち合わせていますよ程度のものでしかない。以下は、GA取得後の取り組みをピックアップした(取り組むあたっての順番はない)。
- Googleアナリティクスヘルプを全て読み込む
すべてのページをひたすら読み進めていくのは現実的ではないので、たまたま検索でひっかかったページや、気になるトピックを調べる過程など、まだ読んだことがないページを地道に読み進める。その中で気になる関連ページなどがあれば、リンクを遷移して読み進めていく。これを長期間に渡りひたすら続けていく。
- GA本の書籍をすべて読破する
Googleアナリティクスを取り扱った書籍は毎年5冊程は公刊される。内容も最近は独自性に富んできているのでGoogleアナリティクスという同じテーマを扱っていても個々書籍から得られるものは多々ある。
- GAをテーマにしたサイトや記事も多くあるので情報収集を行う
書籍では扱えないニッチなトピックや高度な情報、特に最新の技術情報に関してはネットが強いので定期的に情報収集することを勧める。
- 動画で学習する
動画学習はUdemyが有名でGAに限らず様々な分野を動画で学習することができる。GAに関してはUdemyで提供している動画は少ないが、木田さんの『パフォーマンス改善のためのGoogle アナリティクス活用法』は大変参考になった。
- Googleデータポータル/オプティマイズを習得する
それぞれGoogleアナリティクスの力を最大限に活用するためには切り離せないプロダクトであり、今後も存在感が大きくなっていくことが予想される。難解なツールではないとしても、いざツールを利用する際にすんなりと設定できるものでもないので、普段から意識して学習を進めていく必要がある。ちなみにGoogleタグマネージャーに関しては当たり前過ぎて触れなかったけど、こちらも必須なので必ず習得する必要がある。
- 仮説力を上げる
Googleアナリティクスを学び始めた先によくある悩みとして挙げられるのが「どのように改善したらよいか分からない」というものがある。それもそのはずGoogleアナリティクスの書籍ではデータの見方に偏重しすぎているため、Webサイト改善のための施策のアイディアまでは十分な説明があることは少ない。データだけ眺めても何も生み出しにくいのは当然で、まず仮説ありきであり、仮説を立ててそれを検証するためにGAを活用することが一般的。そのアイディア出しの宝庫として『コンバージョンを上げるWebデザイン改善集』が大変参考になるので繰り返し読んでおきたい。
Googleアナリティクスの今後を見据えて取り組むべきスキル
結論からいうとデータ分析スキルであり、個人的にもこのスキルを伸ばすことに注力している。その理由としてGoogleアナリティクスのデータの価値が今後薄れていくというよりも、そもそもデータを分析するにあたっての土台の能力は高ければ高いほどいいよねという単純なもの。
例えば標準偏差の算出方法も知らないで「データ分析」とかちょっと笑っちゃいますよね。まあよくあるインターネット広告代理店のレベルだと、基本的な統計学の知識すらない雑魚ばかりなので、ここまでの知識はいらないっていえばいらないけど。
いわゆる「逆引きデータ分析」の重要性が今後高まっていくことは確実なので、これまでの内容を総括すると、この「逆引きデータ分析」を行えるスキルを高めていくことこそが最重要だと考えている(「逆引きデータ分析」については下記リンクを参照)。
1冊入門書として挙げておくと『これ一冊で完璧!Excelでデータ分析即戦力講座』がかなり分かりやいためお勧めしている。
≫ 参考
・正しく退化していくデータ分析のススメ -a2i.jp
・正しく両輪を回すデータ分析のススメ -PRINCIPLE