状態ベースのユーザーリスト【一時的または完全な削除】

[su_quote cite=”状態ベースのユーザーリスト” url=”https://support.google.com/analytics/answer/6212382?hl=ja”]除外フィルタでは、ユーザーリストからユーザーを除外する条件を設定できます。除外フィルタを使用する場合は、一時的な削除か完全な削除かを選択することもできます。[/su_quote] 状態ベースのユーザーリストとはユーザーリストの作成において除外条件に合致したユーザーが再度リスト作成条件に合致した際、ユーザーリストへ戻すか否かを選択できる機能。つまり除外するにあたっての基準はGoogle広告で慣れ親しんだ「除外する期間」ではなく、ユーザーリストの作成条件に再合致するか否かのユーザーの状態が基準となる。さらに簡潔にいえば、「除外する期間は固定ではなく流動的になる」のがこの状態ベースのユーザーリストの最大のメリットといえる。

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除外の基準
Google広告 期間
状態ベースのユーザーリスト 状態
[/su_table] [su_table]
再度条件に合致した際にユーザーリストに戻るか
一時的削除
完全削除
[/su_table] これ全く話題にもなっていないし、どのアナリティクスの書籍にもなぜか一切触れられていないので、重要度が低い地味な機能にみえるかもしれないが、特にリマーケティング設計にあたり理解しておいた方が良いかなり重要度が高い機能となる。

なぜなら単純にリマーケティング配信においてCV件数を増やすことができるから、というかこの機能を使わないがゆえに機会損失を生んでいる可能性がある。機会損失というのは、単に無駄なリマーケティングリストの追加という話ではなく、リマーケティング配信を行うべきターゲットに対して配信がなされないから。なので、この機能だけでもGoogle広告ではなくアナリティクスベースでのリマーケティングを行うべき理由となるので、この機能を活かせるケースにおいてはアナリティクスを用いてのリマーケティング配信を強く推奨する。

状態ベースのユーザーリストの意義

状態ベースのユーザーリストの機能追加によって、除外するユーザーリストの扱いについての選択肢が増えた。これにより実装が困難な配信条件も簡単になるケースがあり、また施策の幅も広がる重要度が高い機能となる。例えば、リピーターが多く発生するECサイトにおいて商品購入済みのユーザーの扱いについてなどは多くの検討余地があり、それに対処するものとして状態ベースのユーザーリストが役に立つ。
[su_table]

項番 設定側 商品購入ユーザー リスト条件 リスト除外条件
Google広告 30日間は除外 商品購入
アナリティクス 一時的削除 カート投入 商品購入
[/su_table] ➀のケースの問題点は「30日」という期間は再購入に至るまでの平均日数として設定していたとしても、「30日」以内に再購入するユーザーもいるはずであり、そのユーザーに対してリマーケティングを配信していたならば刈り取りできていたはずのユーザーを逃してしまっていることとなる。

➁においては「期間」ではなくユーザーの「カート投入」という「状態」を配信条件としているため、①の機会損失の問題を大方クリアしている。

状態ベースのユーザーリストの活用事例

ユーザーの状態が変化するものにおいては様々な活用方法が見いだせる。

「セッションの品質」の状態によるリマーケティング

セッションの品質を利用したリマーケティングをさらに精緻化する方法。つまりある数値以下のスコアを状態ベースのユーザーリストの「一時的削除」とすることで、ユーザーリストを常に確度の高い状態に保つことができる。例えばセッションの品質スコアはサイトへのアクセスの度に変化するが、品質スコアが「70以下」となった場合は「一時的除外」とすることで見込みがあるユーザーであってもCVに至るタイミングを押さえてリマーケティング配信をすることが可能になる。とはいっても「セッションの品質」はどのアカウントでも活用できるものではないので、代用として「セッション時間」を元にすることで近しい配信ができる。具体的には「セッション時間」が何秒を下回ったら「一時的削除」とすることで常に同じユーザーであっても確度の高いタイミングに限りリマーケティング配信を行うことが可能になる。

・「セッションの品質」のスコアをリマーケティングに取り入れる -できる逆引きGoogleアナリティクス 改訂2版
・セッションの品質 -アナリティクス ヘルプ

≫ アナリティクス ヘルプ -関連リンク-
・状態ベースのユーザーリスト



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