ORACLE MASTERの新資格体系が2020年より大幅に変更があったことに伴い、旧体系と新体系の違いのポイントと、新資格体系に対応した参考書・テキストを随時更新していく。

はじめに新資格体系の参考書の出版状況について述べておくと、現時点でBronzeからGoldまでの参考書は出版されている。今後は問題集の拡充が求められる。

またオラクル社が随時、資格対策のセミナーを開催しているので、そちらに参加することで試験対策として有益な情報を入手できることもあるので、セミナーには参加しておいた方が良いかもしれない。

オラクルマスターの資格体系はDBAとSQLに分けられる。オラクルマスターの登竜門としてはDBAとSQLのどちらかの資格から挑戦しても構わない。ただしDBAエンジニアになるにしてもSQLの知識は必須になるのでいずれは資格を取得する必要がある。

新資格体系に伴う変更点

• バージョン非依存となり、資格名に「12c」などの表記が消え、代わりに資格がリリースされた年次が入る。
• 「ORACLE MASTER Platinum」の資格に関してはまだ調整中。
• 「新Silver DBA」の資格取得にあたっては、「新Bronze DBA」の取得は必須ではなくなった。
• 「旧Bronze」の取得に必要であった「SQL」の試験が、資格「ORACLE MASTER Silver SQL」として独立した。
• SQLが独立資格となったため、新Bronzeの資格取得にあたっては、「DBA」の試験合格のみとなった。
• 新GOLDの資格取得にあたっては、要履修コースの受講が不要となった。

個人的にはSQLが「旧Bronze」から切り離されて独立した点に関心が向く。というのもSQLの単体のニーズは多かったものの「旧Bronze」の資格に内包されていたため、資格取得を躊躇した層が一定数いると思われるから。

SQLほどプロダクトに依存しない汎用的な言語は存在しないので、資格として独立した意義は大きい。今後はOracleを扱わないデータアナリストなどのユーザーにとっても、SQLを学習するにあたって本試験は有意義なものになるだろうし、SQLの知識を証明するにあたっても、「ORACLE MASTER Silver SQL」は目標となる良い資格となるだろう。

≫ 参考
・ORACLE MASTER 新資格体系が導入されます -ORACLE MASTER Portal
・ORACLE MASTER 新資格体系のご紹介（完全版） -YouTube

新資格体系の参考書

現時点は新体系の資格に対応した市販の参考書は
『ORACLE MASTER Bronze DBA 2019』『ORACLE MASTER Silver DBA 2019』『ORACLE MASTER Silver SQL 2019』『ORACLE MASTER Gold DBA 2019』のBronzeからGoldまでの4冊のテキストが出揃っており、今後徐々に問題集の書籍が出版されることが予想される。

旧体系の資格が無意味となるわけではないが、新体系への専用の移行パス試験というのは存在していないため、新体系の資格の取得にあたっては、それぞれの新体系の試験に合格が必要になることに留意したい。

新資格体系に対応した参考書の有無は以下の通りであるが、ORACLE MASTER Study Guideに記載がある通り、12cと共通トピックが多いため旧バージョンのテキストでもある程度は対応は可能である。新資格体系の追加範囲については「ORACLE MASTER Study Guide」を参照したい。

▼DBA系
※注1
Amazonで問題集を個人販売しているのを見つけたのでこちらを活用することで試験対策が可能かもしれない。ただ問題集ということでこれ1冊で体系立てて学習を進めるのは難しそうだ。

▼SQL系

※注1
udemmyの動画なら有 ≫ 1Z0-071: ORACLE MASTER Silver SQL模擬試験問題集(6回分277問)

ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 の参考書

試験名称：Bronze DBA Oracle Database Fundamentals（1Z0-085-JPN）≫ 試験詳細 -Oracle University

データベースの技術力に定評のある株式会社コーソルが執筆しており、日本オラクル株式会社が監修しているため信頼を置いて学習に望んでいいだろう。本書は参考書の位置づけではあるが各章末に練習問題が、巻末にも模擬試験が1回分が掲載されている。また、実際の試験はPC上で行われ、試験に慣れておくという対策で「巻末の模擬試験」が「Webアプリ」として提供されておりスキマ時間などで試験対策を進められる工夫が取られている。

本書の問題集だけで十分かというと、もちろん問題集はあった方がよく今後の出版に期待したいところだが、現時点で問題集は存在していなため、市販本のみで対策するとなれば旧バージョンの問題集を活用するなりするしかない。ではあるが某ECサイトのレビューを参考にすると本書のみの対策で十分であるとのレビューで占められており、試験対策としては本書1冊で十分であることが伺える。

ORACLE MASTER Silver DBA 2019 の参考書

試験名称：Oracle Database Administration I（1Z0-082-JPN）≫ 試験詳細 -Oracle University

Oracle Database Administration Iの対策本はBronze DBA 2019と同様、本書1択となる。執筆者も同じ株式会社コーソルで監修が日本オラクルなのでかなり信頼を置いてよいだろう。いわゆるテキストとしての黒本であり問題集がメインの構成ではないが、各章毎に問題集が付き、合計220問が掲載されている。また巻末には模擬試験1回分も掲載されており、こちらもBronze DBAテキストと同様にWebアプリでトライすることも可能になっている。888ページにも及ぶ大著となっているため、試験対策としては本書で十分であるかと思うが、より試験対策を確実にするのであれば旧バージョンのテキストを使用してもよいだろう。試験範囲は重複しているため旧バージョンのテキストを利用しても問題ない。

ORACLE MASTER Silver SQL 2019 の参考書

試験名称：Oracle Database SQL（1Z0-071-JPN）≫ 試験詳細 -Oracle University

Oracle Database SQL（1Z0-071-JPN）の対策本も現時点ではこの1冊のみ。本書だけを100％に近く理解すれば試験に合格することは十分に可能であるが、逆に中途半端な理解のまま挑むと不合格になるかと思う。特段複雑なSQLを紐解く試験問題は出題されないが、正確にSQLを理解しているかが問われるため曖昧なままだと合格ラインが63％と低いとはいえ、この到達ラインを超えることはかなり厳しくなる。またSQLの実務経験や学習でもSQLを書いたことがないのであれば本書に取り組む前に、別の書籍でSQLに慣れてみてからの方がよいかと思うし、その方が当試験に合格するために近道になるかもしれない。というのも本書でもSQLを実際に打ち込みながら学習を進めることは可能ではあるが、あまりSQLを実際に打ち込んで学習を進めていくスタイルになっていないため0からSQLを打って学習していくのにはあまり適していない内容になっている。

ORACLE MASTER Gold DBA 2019 の参考書

試験名称：Oracle Database Administration II（1Z0-083-JPN）≫ 試験詳細 -Oracle University

Oracle University 無償試験ポイント解説セミナー

【オンライン限定】ORACLE MASTER Silver DBA 2019 傾向と対策
↑ 開催日：2022年12月15日 (木) 15:00～17:00

【オンライン限定】ORACLE MASTER Silver SQL 2019 傾向と対策
↑ 開催日：2022年12月8日 (木) 15:00～17:00

【オンライン限定】ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 傾向と対策
↑ 開催日：2022年11月22日 (水) 15:00～17:00

≫ 参考
・新着ニュース -University

ORACLE MASTER 12cの参考書（Oracle Database 12c）

ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 12c

※補足：2020年5月31日をもって「Z0-017-JPN：Bronze SQL基礎I [Bronze SQLI] 」と「1Z0-051-JPN：11g SQL基礎I [11g SQLI] 」の試験は終了している。そのため、以前はこの3つの選択肢の中から難易度の低い試験を受験する策も可能であったが、現在は12cのSQLの試験は「1Z0-061-JPN」の1択となっている。また、SQLの他にも11g試験はすべて提供終了となっている。

※補足2：12cの試験は2022年8月15日をもって提供終了となる。
参考：認定試験一部配信終了のお知らせ (2022/3/1)

≫ 参考
・配信終了試験一覧

ORACLE MASTER Bronze 12c SQL基礎の参考書

ORACLE MASTER Bronze DBA 12cの参考書

≫ 参考
・ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 12c Certification Overview

ORACLE MASTER Silver Oracle Database 12c

補足：前提資格として「ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 12c」に合格している必要がある。

ORACLE MASTER Silver 12cの参考書

※SBクリエイティブ出版社のSilver 12cの「白本」はなし
※インプレス出版社のSilver 12cの問題集はなし

≫ 参考
・ORACLE MASTER Silver Oracle Database 12c (Oracle Database 12c Administrator Certified Associate) Certification Overview

ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12c

※補足：前提資格として「ORACLE MASTER Silver Oracle Database 12c」に合格している必要がある。また履修を1コース受講する必要がある。

ORACLE MASTER Gold 12cの参考書

※SBクリエイティブ出版社のGold 12cの「白本」はなし
※インプレス出版社のGold 12cの問題集はなし

≫ 参考
・ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12c (Oracle Database 12c Administrator Certified Professional) Certification Overview

ORACLE MASTER 11gの参考書（Oracle Database 11g）

11gの試験は既に終了しているが、12cのSilver及びGoldの参考書が少ないため11gの参考書で対策を補う方法もあるため該当書籍をピックアップする。

ORACLE MASTER Silver Oracle Database 11g

ORACLE MASTER Silver 11gの参考書

ORACLE MASTER Gold Oracle Database 11g

ORACLE MASTER Gold 11gの参考書

※インプレス出版社のGold 11gの問題集はなし

ORACLEの基礎が学べる書籍

ORACLEの試験対策本は試験対策に特化しているため試験に合格するには大変役に立つものだが、自身の経験からしても、いきなりORACLEのDBAを試験対策本で学習しようとすると、DBAという特殊な概念上、習得に時間がかかってしまう恐れがある。そのため、試験対策本に取り掛かる前に、よりOracleやデータベースの基本概念を理解した上で黒本なり白本に取り掛かると、試験対策としての学習も効率的になると思う。

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