まずSQL資格を探している人へ回答を先に要点だけ述べておくと、現時点で主要なSQL資格は3つあり、それぞれ以下の通り。この3つは資格対策本も出版されているため対策もしやすい。
- OSS-DB Silver
- ORACLE MASTER Silver SQL 2019
- データベーススペシャリスト
当記事では受験可能なSQL資格についてそれぞれの特徴と、どのSQL資格から選択すればいいのかを解説する。また難易度や対策のし易さなど多くの観点から解説したい。余談だが「SQL資格」で検索結果に表示されている記事を見てみたが、あまりにも内容がお粗末すぎたのが記事を書こうと思った理由となる。現状はまだGoogleの検索結果はドメインの力が大きく影響するので内容に疑問を感じる記事でも上位表示しやすくなっている。
SQLの資格はいくつかあるが一概にこの資格がおすすめですよとは言えないことを最初に断っておく。というのも使用するRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)によってどの資格を選択すべきかが変わってくるから。というのはRDBMSとは簡単にいうとデータベースを管理するソフトウェアのことで、多くのSQLの資格はこのRDBMSを開発している企業なり団体が運営している。
そのため、「資格取得」のための、SQLの資格学習ではRDBMSと完全に切り離してSQLだけ学習を進めることは難しい。なのでSQLの資格ではRDBMSとの関係性も考慮に入れる必要がある。つまりはどのRDBMSを使いたいのかも含めて資格を選択するということになる。RDBMSについてよく分からないのであれば、参考になるYouTube動画をピックアップしていくので参照してほしい。
参考:リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)とは?|特徴や種類などを3分でわかりやすく解説します【データベース初心者向け】-Kino Codeただし、近年SQLにおいて分析SQLというニーズが高まっており、これまでの保守運用に用いるためのSQLとデータ分析のためのSQLに大きく学習目的が分かれてきている。当ページに訪れたニーズはどちらにあるか分からないが、「分析SQL」の分野ではまだこれといった資格は存在しない。ただどちらともSQLには変わらないので、現状あるどのSQL資格を選択したとしても無駄になることはない。
そのためニーズが分析SQLにあるのであれば、無理くり資格を取得しなくてもいいかと思う。それよりもデータを分析して、その結果をLooker Studioなりでビジュアライズしたアウトプットを残した方が学習だけするよりも力はつく。分析SQLの分野で最もお勧めなのは、『集中演習 SQL入門 Google BigQueryではじめるビジネスデータ分析』であり、オラクルなどデータベース運用ではなく、分析するためにSQLを学びたいのであれば、本書を強く推奨する。
Contents
初心者におすすめ&転職を有利にするSQL資格
タイトルにした「初心者(資格の難易度が低い)」かつ「転職」に有利になる、どちらともの条件を満たしたSQL資格としては、「OSS-DB Silver」をお勧めしたい。理由としては、比較的小規模開発で使われるオープンソースのRDBMSであるPostgreSQLであることからニーズが今後高くなることが予想される点と、SQLも試験範囲として含まれているため、SQLの学習に資格を選択するのであれば当資格が適している。
初心者におすすめのSQL資格
同様に「OSS-DB Silver」が最適な資格となる。「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」を挙げない理由としては、「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」は初心者が初めに選択するSQL資格としては若干難易度が高く、合格するまでにかなり時間がかかってしまう可能性があるため。実際に私自身この「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」を受験したことがあるが、かなり難しく感じたし不合格になった。また、オラクルデータベースとの関連性が高い試験内容となっているためオラクルデータベースに興味がなければ最初の資格としては選択しないほうがいいかもしれない。逆に言えば最初に述べたようにオラクルを将来的に使っていくのであれば「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」でも問題ないと思う。
転職におすすめのSQL資格
これは異論はほとんどないと思うが「データベーススペシャリスト試験」一択。もちろんSQLだけが問われる試験ではなくデータベース設計から幅広く知識を問われるため難易度も他の資格とは一線を画す。だが唯一の国家資格でありベンダー系資格のように良くも悪くも暗記だけでどうにかなってしまう試験ではないため、地頭の良さも求められる。その分、対外的に与える印象としてのメリットは大きい。試験内容も最近の傾向としてSQLの出題数が増加していることからも、当資格に取り組む意義は大きい。
SQL資格の一覧 4選
OSS-DB Silver
「OSS-DB Silver」は試験区分の1つであり、上位資格は「OSS-DB Gold」となる。SQLを学習するにあたっては試験範囲や対策書籍の出版状況からもまずはOSS-DB Silverから受験することが望ましい。
冒頭でも解説した通り、まず最初にSQLを学習するにあたってよい適当な資格を探しているのであれば当資格をおすすめする。難易度的にも他の資格と比べてもそれほど難しくもなく、SQLを含めてRDBMSの全体を理解するにはよい資格だと思う。
資格名称 | OSS-DB Silver |
試験名称 | OSS-DB Exam Silve |
公式サイト | https://oss-db.jp/ |
テキスト | OSS教科書 OSS-DB Silver Ver.3.0対応 |
受験の前提条件 | なし |
資格有効期限 | 「有意性の期限」があり、その期間は「5年間」https://oss-db.jp/re-recognition |
受験料 | 16,500円(税込) |
合格ライン | 64点 ※公式HPには記載ないようだがネット上の情報を参考 | </tr
合格率 | 情報なし |
受験方法 | 試験センターか自宅でのオンライン(通年) |
試験形式 | コンピュータベーストテスト(CBT) |
出題形式 | 選択問題 | </tr
試験時間 | 90分 ※公式HPには記載ないようだがネット上の情報を参考 | </tr
出題数 | 約50問 |
合否結果 | 試験終了時に即時 | </tr
合格証明 | 認定証と認定カード |
ORACLE MASTER Silver SQL 2019
参考:ORACLE MASTER Silver SQL 2019 のご紹介 -ORACLE MASTERブログ
参考:Oracle Databaseとは?|Oracle Databaseとは何か、特徴などを3分でわかりやすく解説します【データベース初心者向け】-Kino Code他サイトでは情報が古いのか外注で記事を書かせているせいなのか、オラクルマスターのSQLを紹介する際、たんに「ORACLE MASTER Bronze」や「ORACLE MASTER Silver」のDBA試験が紹介されているケースが大半だが、今はオラクルマスターの新資格体系による試験体系の刷新により「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」というSQLの専門資格が用意されている。そのためオラクルマスターでSQLの資格を受験する際は「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」をまず選択肢として候補に挙げるべきである。「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」においてもSQLが試験範囲に含まれているが、DBAも試験範囲に含まれてくるためオラクルDBAの知識がないのであれば「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」を選択した方がよいかと思う。
「OSS-DB Silver」と「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」のどちらがよいのかであれば、使いたいRDBMSがPostgreSQLかOracle Databaseのどちらかである場合はまずそれを優先して決めるべきだろう。難易度が易しい方であれば「OSS-DB Silver」となる。
資格名称 | ORACLE MASTER Silver SQL 2019 |
試験名称 | Oracle Database SQL |
公式サイト | https://www.oracle.com/jp/education/index-172250-ja.html |
テキスト | オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL |
受験の前提条件 | なし |
資格有効期限 | なし |
受験料 | 32,340円(税込) |
合格ライン | 63 % | </tr
合格率 | 情報なし |
受験方法 | 試験センター(通年) |
試験形式 | コンピュータベーストテスト(CBT) |
出題形式 | 選択問題 |
試験時間 | 120 分 | </tr
出題数 | 78問 |
合否結果 | 試験終了時に即時 | </tr
合格証明 | デジタル証明 |
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリスト試験は試験範囲がSQLだけに留まらず、データベースの設計から幅広い知識を問われる試験のため難易度はかなり高く、合格率も15%前後を推移していることからも一筋縄では行かない資格だということが分かる。
ただデータベーススペシャリストを取得により拍が付くのは確実であり、データベーススペシャリストの資格を保有していることが唯一肩書としても役に立つ資格かもしれない。
資格名称 | データベーススペシャリスト試験 |
試験名称 | - |
公式サイト | https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/db.html |
テキスト | (全文PDF・単語帳アプリ付)徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書 令和5年度 |
受験の前提条件 | なし |
資格有効期限 | なし |
受験料 | 7,500円(税込) |
合格ライン | 60点(午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ) | </tr
合格率 | 15%前後 |
受験方法 | 試験会場(年1回の秋) |
試験形式 | 解答用紙にて解答 |
出題形式 | 午前は四岐択一 |
試験時間 | IPAサイトもしくは書籍を参考 | </tr
出題数 | IPAサイトもしくは書籍を参考 |
合否結果 | およそ2か月後 | </tr
合格証明 | 紙での合格証書 |
MySQL 5.7 Database Administrator
参考:MySQLとは?|MySQLとは何か、特徴などを3分でわかりやすく解説します【データベース初心者向け】MySQLの資格はオラクルマスターと同じオラクル社が提供しており、データベースのシェアでも1位のオラクルDBに次ぐ2位になっており、キャリア的な視点からは魅力的な選択となるが、資格取得の観点からは難点が付く。というのも試験対策用のテキストが販売されていないから。これが理由だと思うがこのMySQLの資格の認知度はかなり低い。そのためRDBMSとしてMySQLを使う予定がないのであれば、他のSQL資格を選択した方が無難だろう。
資格名称 | Oracle Certified Professional, MySQL 5.7 Database Administrator |
試験名称 | MySQL 5.7 Database Administrator |
公式サイト | https://www.mysql.com/jp/certification/ |
テキスト | なし |
受験の前提条件 | なし |
資格有効期限 | なし |
受験料 | 32,340円(税込) |
合格ライン | 58% | </tr
合格率 | - |
受験方法 | 試験センター(通年) |
試験形式 | |
出題形式 | コンピュータベーストテスト(CBT) | </tr
試験時間 | 120分 | </tr
出題数 | 75問 |
合否結果 | 試験終了時に即時 | </tr
合格証明 | デジタル証明 |