【終了】ユニバーサルアナリティクス(UA)のおすすめ本 11選!

Googleアナリティクスの書籍は毎年何冊も発行される。それだけアナリティクスが多機能かつ進化のスピードが早いということでもあり、また多くのニーズがあることから書籍化しても売上が立つのだろう。これまでは、その多くが初心者をターゲットにしたものであったが最近はより高度な内容を扱った書籍も増えてきた。このことからGoogleアナリティクス本の選択肢の幅が増えたことから、どの本をまず手に取れば良いのか、特に初心者とっては迷われる方が多いと思われる。当記事では、すべての書籍について必ず目を通した上で、各書籍についての個人的な観点に基くレビューを簡単にまとめたものである。また冒頭に最もお勧めできる書籍を抜粋したので、どれを買えばいいのか悩まれているのであればそちらだけ見て頂きたい。

Google Analytics 4 プロパティ(GA4)の書籍情報を探している人にお伝えしておくと、まだGA4に対応した書籍はまだでておらず、当然ながら当記事でも取り扱っていない。2020年10月に正式リリースされたばかりであるためネット上の情報についても不足しているため、引き続き旧GAをメインで使うことに問題はない。ただこれから先数年かけてGA4がスタンダートとなっていくことは予想されるため、GA4についてもデータ集計は行っておいた方が良いかもしれない。

※追記
早いものでアナリティクス4に対応した書籍が近々出版されるようだ。まだアナリティクス4も完成形とはいえないが、機能追加・修正と共に今のうちから仕様を把握していくことに努めた方が、学習コスパは良いだろう。

まとめていえば、まだGA4への移行を急ぐべき理由はなく、旧GAで習得したスキルはGA4でも活かせるので旧GAの書籍で学習することが無駄になることはない。むしろまったくのGoogleアナリティクスの初心者であればGA4から学習を進めるよりも旧GAの書籍やネット上の情報の多さからも旧GAから学習を進めた方が良いかと思う。何よりもまだ現場で使われているのが旧GAであることがほとんどであるし、自身がGA4を扱えるからといって簡単に移行することは環境的にも難しいから。繰り返すがGA4も情報収集していくことは重要であることには変わらない。

ユニバーサルアナリティクス(UA)本のレビュー【最新順】

レビュー順は出版年月日順になっている。まだここ数年に出たものしかここに載せていないので、若干の管理画面との相違は数年前の刊行物にはあるかもしれないけど、書籍の内容が古いために参考にできないといったものはない。また管理画面と相違があるからといって選択肢から外すことはもったいないともいえる。重要なのは操作方法以外の考え方の箇所であるため、そこから学び取れることがあるのであれば、数年前のものであっても支障はない。

先に目的別にどのアナリティクスの本がお勧めなのかを書いておくと、まだ本当に初心者で基礎の基礎から学びたいということであれば、『いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室 -小川 卓』をお勧めする。

総合的にこれを買っておけば間違いない!という書籍を1冊挙げるとすれば、木田和廣さんの『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版』をお勧めする。Googleアナリティクスの基本から応用まで満遍なく学べるし、1ページから多くても数ページで解説するトピックが完結しているため、1冊を通して読み進めていく形式よりも、参照したい箇所を後から探しやすく学習の定着度が高くなりやすく、読みやすい。

またUdemyで動画も提供しているので、動画で併せて学習を進めれば一気にGoogleアナリティクスの能力を上げることができるだろう。
≫ パフォーマンス改善のためのGoogle アナリティクス活用法 -Udemy

▼Googleアナリティクスの学習方法については下記記事を参照

「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス分析・改善のすべてがわかる本

他のアナリティクスの書籍も同様ではあるが、本書のすべてのページにおいて強い興味関心やインスピレーションが沸き起こるような内容ではない。ごく一般的な解説も多く、その分析をしたところで施策のインパクトとして疑問を感じる記述も多々見受けられた。例えば「訪問回数が多くなるにつれてCVRが高まるから、訪問回数を増やす施策をしよう」などとあるが、施策に活かすにしても訪問回数を増やすことは至極当然の取り組みであり、訪問回数が多くなるにつれCVRが高まるのは当然だろう。別の例を挙げれば、「レコメンド機能の貢献度を分析」する記載なども、視点としては興味深かったが、そもそもレコメンドがデメリットになることはないので、わざわざ貢献度を分析したところで何になるのか疑問である。このようなモヤモヤした施策事例の記載が幾分本書の価値を下げているように感じる。

この点を踏まえて本書に記載してある施策を実施することによる「施策のインパクト」は本書の中でも解説もされているが、どれくらいの改善インパクトがあるかを考慮した上で常に取り組みたい。当然ながら改善が見込めない分析のための分析をしたところで、趣味で取り組む以外は意味がないものであるから。

というのも、これは本書だけに限らず他のアナリティクスの書籍全般を通してであるが、内容を鵜呑みにするのではなく、施策としてインパクトがあるかどうかを自身のサイトに照らし合わせて判断するのはもちろんのこと、本書は特に多くの改善プロセスの事例が記載されているので、それらを元にさらにインパクトのある改善施策を考えることの方が重要。

また本書の特徴の一つとして、類書にはないアナリティクスを活用した「改善プロセス」の著者の思考プロセスに多くの紙面を割いており、大変参考になった。これは特にアナリティクスの初心者にとっては全てのアナリティクスの書籍の中でも最も参考にするべきトピックであると思う。というのもアナリティクスを活用することができない、難しく感じるのは、ここにあると思っていて、内容の薄いアナリティクスの活用方法を書籍で読んでも「だから何?」と感じるのは当然であり、それはアナリティクス本の全般を通してではあるが、さほど意味のない解説に終始していることにも大きな原因があるかと思う。

まとめていえば、内容の薄いアナリティクス本に書かれている改善などは改善には到底ならないものが多いし、その先のアイディアを生み出してからが大きな改善が見込める施策となることが多い。自身でアイディアを生み出すためには、ただ本を読んで納得するのではなく、あくまで「素材」として読み考えを巡らせることが、こういったアナリティクスの本を読書する上で重要なポイントなのではないかと思う。

Googleアナリティクスプロフェッショナル 分析・施策のアイディアを生む最強リファレンス

他の書籍では触れていないGoogleアナリティクスの活用テクニックが解説されている点が本書の大きな特徴となっている。ひとことで言えばGoogleアナリティクスが進化している中、その最先端の活用方法を解説に重点が置かれているため、既存の機能の活用方法に留まらず、新機能を取り入れた分析・施策のアイディアが得られる良書となっている。そのため逆に言い換えれば、ここまでの機能を求めていないユーザーも多く、初心者向けではないともいえる。さらに補足すると、本書はかなり分量があり若干文章が小難しく書かれているため、たぶん初心者がいきなりこの書籍で学習しようとしても挫折するかもしれない。これは良い意味で本書の特徴を述べたことであり、初心者向けではないということは、Googleアナリティクスの初心者から脱却し中級者への渡し船となる他書にはない貴重な書籍ということでもある。現時点で刊行されているGoogleアナリティクスの本の中で最も難解なのではないか。

本書は多くの点で参考になり、今後もリファレンスとして活用していきたいと考えている。先に本書はアナリティクスの初心者には適していないと書いたが、Googleアナリティクスの「設定」に関しては、幅広いユーザー層に共通して必要不可欠なトピックである。そのため、この設定面に関しても非常に信頼が置け他書よりも分かりやすくなっているため、アナリティクスを導入する際には大変参考になるだろう。なのでこれからGoogleアナリティクスを学ぼうとしている者であっても、本書を手元に置いておくことをやはり推奨したい。というのもGoogleアナリティクスのタグひとつとっても時代と共に正しい設定方法は変わっていくものであり、この範囲は特に公式ヘルプを参照するよりも書籍の方が分かりやすい。

以上が本書を読んだ上で優れた点として特に大きく感じたところであるが、優れていると感じるが故に他方でやや不満に感じてしまう点も生まれてしまうのもかもしれない。その不満点とは本書の書籍名には「分析・改善のアイディアを生む最強リファレンス」とあるが、それほど「改善」のアイディアが盛り込まれているとは感じなかった。この「改善」だけで比較すれば、小川卓さんの『Googleアナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』の方が豊富であり参考になる。本書の『Googleアナリティクス プロフェッショナル』はGoogleアナリティクスのヘルプに記載されている多くの事項を紙面で解説しているため、膨大な仕様書のような体裁になってしまっている感が拭えない。本書の内容に対してGoogleアナリティクスヘルプとは完全に切り離し、独自に「分析・改善」に的を絞り構成したものを期待すると、やや期待外れと感じるかもしれない。

本書で扱うトピックはGoogleアナリティクスだけではなく、GoogleのプロダクトであるGoogleオプティマイズやGoogleデータポータルまで扱っており、また紙面も多く割かれているため、概要から設定までの流れを学習する上では大変参考になるのではないか。

徹底活用Googleアナリティクス デジタルマーケティングを成功に導く解析・改善のための操作ガイド

本書の特徴をまず初めに感想を述べると、Googleアナリティクスの設定・操作に関して多くの紙面を割いており、内容に関しても「設定」や「操作」への記載が詳しい。また図解が豊富でかつカラー印刷のためイメージが湧きやすい構成となっているが、ややどうでもいい点ではあるが、紙に光沢があるため蛍光灯の光が反射しやすく、本書の重量と相まって読みづらさを感じた。話が逸れたが、これからGoogleアナリティクスを導入して基本的な設定事項を済ませたいといった目的があるのであれば、本書は大変参考になるだろう。このように本書の良い点をまとめると、繰り返しになるが「設定」や「操作」に関しては豊富なキャプチャや図解などによって初心者にとっても理解が進むように丁寧な記載となっている。対して本書に対しての不満点というか、全てを満たしての記載は難しいと思うのは承知の上で率直に言うと、本書のページ数の分厚さに対して、内容が濃さというか、Googleアナリティクスに対しての思慮深さは感じなかった。これは「共著」ということもあるのかもしれないが、例えば山浦さんや木田さんなどの書籍を読むと、Googleアナリティクスに対しの計り知れない深い思想を感じ取ることができるので、個人的な好みとしては個人の個性が出ているアナリティクス本の方が好きではある。

「基本」の章ではGoogleアナリティクスの取り巻く環境の解説から、基本的な設定とGoogleアナリティクスの標準レポートの解説までを取り扱っている。Googleアナリティクスを導入し「目標」を設定し運用する上で必要な設定が、過不足なくまとめられているため、この章を押さえれば、初期設定のフェーズは問題なく完了させることができる。ただこの章を読んでいて疑問に思った点として「Googleアナリティクス設定変数」を「ページ用」と「イベント用」でそれぞれ別に用意しているけど、個人的に「Googleアナリティクス設定変数」を設定する際には1つしか作成しない。思うところとして、「Googleアナリティクス設定変数」を複数作成すると「オーバーライド」の概念が崩れるため、1つの「Googleアナリティクス設定変数」を共通して参照する方法を私は採用しているが、私の認識が足りていないのかもしれない。またGoogleアナリティクスのトラッキングIDを定義する変数も個人的には「Googleアナリティクス設定変数」に直接設定しても問題ないのではないかと感じた。

「拡張eコマース」のチャプターでは通常のeコーマスではなく、わざわざ「拡張eコース」の設定に関しての紙面を割いているあたりから、期待感を持って読み進めたが期待外れとなった。まず本書だけに限らないのだが、値を動的に取得してデータレイヤーに渡す必要性があるのだが、なぜその点について触れていないのだろうか。最も難解な箇所であり読者が知りたい点であると思うのだけれど、値がハードコーディングされていて、実装する際には参考にならない。本当の初心者にとってはこの点において疑問すら沸かない可能性もあるので、解説に不親切さを感じることは否めない。

Googleデータポータルを解説したチャプターでは、必要最低限のGoogleデータポータルの解説であったが、Googleデータポータルを用いるとどのようなビジュアル化が可能であるかが、豊富な図解と共に解説されているため、作成にあたりイメージが湧きやすい構成となっている。

チャプター14までは「設定」に関しての解説がメインであり、チャプター15からは「改善」へと解説事項が移っていくが、それでもやはり本書の全体を通しての特徴として「設定」に関しての記載に偏重しているように感じる。例えばサイト遷移後のユーザーフローの可視化をGoogleデータポータルを活用する方法などは参考になったが、オプティマイズやSearch Consoleを使用してのSEOの改善なども、やはり「設定」に関しての解説に偏っている。「改善」のトピックの最後になり、具体的な改善のアイディアの事例がいくつか紹介されており、これらは大変参考になる事例ではあったが、急にかなり具体的なアイディアが紹介にされるため、やや不思議な感じがした。

現場のためのGoogleアナリティクス Webサイトを分析・改善し倒すための技術

本書は全体を通して分析と改善に焦点を合わせており、Googleアナリティクスの基本的な事項については他書に譲るとしてほとんど紙面は割かれていない。このような明確な目的の元に何を読者に伝えるべきかが著者からよく伝わってくるので好感が持てた。正直なところ、本書については初めに読んだ際は日本語の概念的な言い回しがくどく、読みにくい文章でコンテンツの内容がなかなか読み込めず、あまり良い内容だと思えなかったが、最近再度、著者が伝えたいことを汲み取って読み進めたところ、1回目に読んだときよりも対象的に他書にはない本書の素晴らしい内容を理解することができた。それは何よりも分析・改善の手法が豊富にあることで実務に活かせるアイディアがふんだんに盛り込まれていることで、章毎にいくつもの気付きを得ることができた点にある。

「参照元分析」の章においては、他書ではあまり触れられていない点であるが、参照元とユーザーの置かれている状況の関係性が異なることに着眼しており、考え方の参考になった。というのも単に直帰率などの比較を行っても、ユーザーの置かれている状況がそもそも論、参照元により異なるため、それらを考慮しない直帰率の比較などは意味を成さないものとなるから。本書においてはこの参照元のトピックだけでなく全体と通してユーザーとの関連性を元に考察を行っているため、分析を行う上で一歩進んだ分析視点を本書から学ぶことができる。特にセカンダリディメンションとの組み合わせの活用例で参考になる点が多くあり、その分析手法とGoogleアナリティクスの指標についての解説を元にした分析手法は大変参考になった。

「キーワード分析」の章では基本的な分析手法の解説ではあるが、参照元の分析同様に、ユーザーの検索ニーズを考慮した上での分析視点で解説がなされており参考にできる点が多くあった。また、この手法は今回この書籍で初めて知ったけど、サイト内検索とカスタムディメンションを組み合わせる方法などは取り入れていきたい。

「コンテンツ分析」の章では「コンテンツ」の定義に少し違和感があったが、コンテンツの分析視点の準備については他書では触れられていない思考枠組みとなっており参考になる。詳しい具体的な分析手順については本書を手にとって読んで頂きたいが、Googleアナリティクスにおいて分析する上での準備を段階立てて解説されているため、実際の実務においての取り組みに活かせる内容となっている。コンテンツ分析においてもユーザーの検索ニーズとの関係性などを考慮に入れたセカンダリディメンションとの組み合わせ技などは、分析視点として新鮮であり参考にしたい。

「導線分析」においても同様にまず分析フェーズに至る前に、何をするべきなのかが解説されており参考になる。本書全体を通して分析過程のおける手順を示してくれるため、実際の分析業務に至った際には本書で示された手順を参考にして分析を進めることが可能になっている。

「コンバージョン分析」の章ではGoogleアナリティクスを用いた改善施策が豊富に解説されており大変参考になった。サイト自体のトレンドを抑えておく重要性やページの価値による分析など、特に広告に活かす改善の他にもSEOの改善につなげられるような分析手法は今後取り入れていきたい。

いちばんやさしいGoogleアナリティクス入門教室

本書はアナリティクスをこれから学ぼうとしているのであれば良書。ただ同じ著者が書いた『Googleアナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』を既に読み理解できているのであれば本書は特に不要だと感じた。図解が多く基本事項の説明が非常に分かりやすく、全くの初学者であれば公式ヘルプ―ジよりも本書から読み進めた方が理解が早く進むだろう。

また、初心者を対象とした本でありながら、改善案までを提示しているのでアナリティクスのデータをただ眺めるだけに終始しておらず、データからどう改善していくかまでの思考プロセスの考え方までを学べる良書となっている。

このような分析・改善の思考は書籍を一度読んだ程度では身に付かないし、実際にアナリティクスを触ってみて考えるプロセスを踏まない限り、本書の内容は頭に入らないのではないか。実際操作してみて、改めて読み返すと内容がより頭に入り、実践でも新たな閃きも生み出しやすくなる好循環が生まれアナリティクスを用いた分析スキルが身に付くだろう。本書はこのような観点からも一度読んだだけで終わりにするのはもったいなく、新たな視点を得るためにも定期的に読み返したく感じた。

いちばんやさしいGoogleアナリティクスの教本

この1冊だけで改善施策までカバーできるほどの情報量は掲載されていないが、Googleアナリティクスをこれから学習を進めるにあたっては平易な文章ながらも奥深さも感じられる記載であることから、まず最初の1冊としてはお勧めできる。ただ当書籍のターゲットユーザーが初心者でありながらも、扱う内容が初心者では扱わない内容も多く、不要なトピックも多いのではないかと感じた。また初心者ではなくても普段めったに使わないアナリティクスのレポートの解説も含まれており、またなぜか多くの紙面を割いて解説した方が良さそうな内容が最後の「付録」に記載されていたりするなど、少し構成に疑問を感じざるを得ない。少し具体例を出すと、「拡張eコマース」などは多くのユーザーにとって不要であろうし「eコマース」でさえもターゲット層を考慮すれば不要なのではないかと個人的には感じる。さらにいえば、不要なトピックの他にも、外部ツールと連携されたレポートの説明も不要かと個人的には感じる。具体的にはSearch Consoleと連携されたレポートなどは、個人的には活用したことがない。というのもアナリティクスとSearch Consoleを連携したところで受けられる恩恵がほとんどなく、アナリティクス上でSearch Consoleのレポートを見ることなどないから。

またさらにダメ押しすると全体を通して言えることではあるが、改善案などが抽象的すぎて参考にならないと感じる記載が多すぎる。例えば、Chapter6の「SEOのための分析」で解説も特に示唆に富む内容とは感じなかったし、このChapterに限らないが、「抽象的」とはどのような表現なのかを一言で表すというと例えば「デバイスごとの流入内訳で訪問者をの状況を知る」などのような表現を指す。毎回、毎回、このようなアナリティクスの書籍を読む度に思うことではあるが、このようなマクロの視点でデバイスごと・流入チャネルごとなどのデータを見ても、そこから何かアウトプットの施策に落とし込める案は出てこないのではないか?少なくとも私は出てこない。それであればより具体的なSEOの改善施策につながるアナリティクスの活用方法の事例を掲載するべきだと思う。例えばコンバージョンに至った、起点となる検索語句の関連性を分析して、SEOの施策として活用するなど。

少し昔の本であるゆえに致し方がない面もあるかと思うが、設定面に関しての記載もGTMの使用を前提としておらず直接コードを修正する説明となっているが、本書に限らずGTMを使わず直接コードを修正する内容にすることが初心者にとって適切かといえば真逆かと思う。むしろコードに直接手を加えることの方が難易度があがるし、メンテナンス性も工数面も考えてもメリットになる点が何もない。

少し辛口のレビューになってしまったが、全体を通してクオリティ自体は高いと思うし、平易な文体で読みやすく、特に山浦さんが書かれたChapterなどは質が高く、アナリティクスとは何かを最初に理解する上では大変参考になるのではないかと感じた。

スモールビジネスのための Googleアナリティクス完全ガイド グローバルサイトタグ対応

数多くのGoogleアナリティクスの書籍がある中、本書を選択する理由はないように思える。一通り読んでみたが、何一つ読んで良かったと思える箇所がなかった。全くの初心者であっても本書を読むメリットはないだろう。

できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版

本書は、1つのトピックに関して1ページから数ページでまとまっているため読みやすく、書籍のタイトル通り逆引きしやすく便利である。対象者としては初心者からアナリティクスを普段から利用している人が読んでも新たな気付きが得られる内容となっている。特に「成果の改善」から「高度な分析」にかけての章は、示唆に富むテクニックが多く記載されているため大変参考になる。しかし、後半にかけては知識がまだ浅い人にとっては所々に難しく感じるであろう箇所があるため、疑問点はGoogleアナリティクスのヘルプを参照する必要性があると感じた。

記載事項の内容は基礎事項について多くの紙面が割かれており、初学者にとっても比較的、手に取りやすい内容であるが、他書との違いとしては「分析・改善」のトピックに関してはかなり高度な内容も含まれているため、初心者から上級者までをターゲット層にしているという点。そのため、基礎的な仕様を再度再確認したい場合でも、新たな施策のアイディアを得るためにも本書は大いに役に立つ内容となっている。

やや不満点を挙げるとすれば、ページ構成の上でやむを得ないことであるかもしれないけれども、少し説明が省略されすぎているため、本書だけでは理解が進まない箇所があるかもしれない。例えばカスタムディメンションやeコマースの設定などは、初心者にとってはイメージが湧きづらい箇所であるため、ページ構成を壊してでも、もう少し詳細に解説が欲しかった。

本書籍とは別に、Udemyで動画で木田さんのGoogleアナリティクスの講義が提供されており、こちらもお勧めである。
≫ パフォーマンス改善のためのGoogle アナリティクス活用法 -Udemy

達人に学ぶGoogleアナリティクス実践講座 売上に貢献するデータ分析がわかる7つのレッスン

初心者を対象にした内容であるので多くを期待しないとしても、果たして本書を読了したとして初心者から脱して意味のある改善提案まで考えが出せるようになるかは甚だ疑問。アナリティクスの仕様を初心者向けに易しく紐解いた解説である点では、全くの初学者としては学びがあるものとなるかもしれないが、少しでもアナリティクスの知識があるのであれば本書からは特段得られるものはないだろう。というのも個人的な感想であるが、多くの事項に対してデータ見方や取り出し方に終始してしまっており、そこから何か改善につなげるアクションのような記載が乏しいように感じられた。他書と比較してみても何かに絞り込んで解説がされているわけでもなく、広く浅く解説がなされており、その点からしてみれば最も本書に適した読者は広く浅くざっとアナリティクスを学習したいニーズであれば本書は最適であろう。とはいっても公刊日から既に年月がだいぶ経ってしまっているため、現時点で本書を選択する理由はないかと思う。

今すぐ「標準レポート」を卒業したい!GoogleアナリティクスWeb解析の強化書

比較的年月が立っているアナリティクスの書籍になるほどに、「セグメント」の切り方については多く解説がなされている傾向があることに気づいたけれど、本来、そこから先の施策アイディアを読者は欲しているはずなのに、ほとんどそのような具体的な施策まで紹介されているわけではないので、本書を改善の手引きとするには難しいと言わざるえない。

少し文章が読みにくいというか、著者の伝えたい内容に付き合いながら読み進める必要があるが、それに応じてじっくり読み進めても十分なリターンとなるような気付きが得られないので、何か有益な情報はまだなのかと感じながら読み進めるが、結局その過程で「これは参考になる」と感化される場面が、、、正直ほとんどなかった。

本書の構成として改善事例としては具体的な例を引き合いに出してくるが、そのような事例だけ具体的に例を出されても読者はついてこないだろうし、課題を挟まれてもまともにその課題に取り組む読者はいるのだろうかと感じた。

リファレンスとしても読み物形式では扱いずらいし、途中で後から読み返すために付箋を貼った箇所も私の場合はなかった。本書の表紙は「改善」にフォーカスしてそうな雰囲気を醸し出しているが、今回もそうだが何回か読み直した上でのレビューである。もうこれ2015年の公刊であるので多少内容が現在にそぐわない箇所も多々あり、その点でも今本書を手に取る理由はあまりないように思える。

Googleアナリティクス 実践Webサイト分析入門

幾分、昔の書籍であるためさすがに本書の内容のすべてを現状のGA設定の際に参考にすることは推奨されない(現在はほとんどの設定をGoogleタグマネージャーを通して行うため)。なのでそれ以外の箇所については読み返しても問題ないし、十分に参考になる記載が多く私自身もたまに読み返したりする。本書の構成は『できる逆引き Googleアナリティクス』と同様に2ページで1トピックが完結しており読みやすくなっている。やはり繰り返すが時代の流れを感じる箇所が大きく、「設定」面に関してここの箇所は昔のやり方なんだなと分かる人でないとあまりお勧めしない。それが分かった上で「考え方」の箇所のみを吸収しながら読む分にはとても参考になる。昔はまだアナリティクスの本が少なく、本書から多くのアナリティクスの基礎的な事項を学んだ記憶がある。それから多くの関連書籍が出る中で相対的に本書の不足している点について多く感じることになったのは、致し方がないことでもあるけど、本書では「セグメントをこう切れば、こういうデータが取れる」ということに終始してしまっており、そこから先の改善の施策例についてはほとんど触れられていない。なのでGoogleアナリティクスの初心者にしてみれば「データの見方は分かったけれど、そこから先はイメージがわかない」と感じるしまう人が残念ながら多かったのではないか。この点に関しては、今は多くのアナリティクスの書籍が発行されており、改善の施策に関しての記載も手厚くなってきているので併用してGAの活用方法を補完し合いたい。本書も含めて様々なGA本に触れることは大切なので、まだ目を通していない方は一読をお勧めする。

Googleアナリティクスを使った深堀りと改善視点の分析アプローチ(アクセス解析の基礎)-Udemy

Udemyから提供されている、いちしま泰樹さんのGoogleアナリティクス講座。対象者はGoogleアナリティクスを少し触ったことのある初心者となっており、これからGoogleアナリティクスを本格的に使いこなしていくための基本的な思考枠組みが学べる内容となっている。動画の冒頭でも補足記載されているが、具体的な改善までは対象としておらず、分析を行うにあたっての大枠となる考え方の解説が中心となる。なので上記書籍『Googleアナリティクス 実践Webサイト分析入門』の普遍的なパートの動画版ともいえ、書籍よりも当動画の方が視覚を通して重要箇所を学習できる。Googleアナリティクスをこれから学ぶ上で、まず初めに「Googleアナリティクスを使っての分析」とは、どのような思考手順を持って行うべきなのかを知るためには、最も最良な教材なのではないかと、本動画を視聴して感じた。

≫ Googleアナリティクスを使った深掘りと改善視点の分析アプローチ(アクセス解析の基礎) -Udemy

Googleアナリティクスを活用してランディングページを改善する

▼ランディングページの改善本については下記記事を参照

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