【受験記】Salesforce認定メールスペシャリスト資格の難易度と対策 Spring ’23更新済み

Salesforce認定資格とはSalesforceが認定するグローバルに展開する公式資格であり、Salesforceの各プロダクト毎に試験が提供されている。それぞれ「基本資格」と「上位資格」に区分されており、「基本資格」は「上位資格」を受験するにあたり取得することが前提条件となっている。

「Salesforce認定 Marketing Cloud メールスペシャリスト」とはSalesforceのメールアプリケーションの製品知識と業務知識と問う試験であり、「SALESFORCE 認定 MARKETING CLOUD コンサルタント」の下位資格にあたる。試験体系の詳細は下記ページの上部にあるリンク先のPDFに、セールスフォースの全資格の体系が分かりやすく図解で解説されている。

≫ 参考:Salesforce認定資格一覧

当試験は認知度が低く、試験勉強をするにあたり市販のテキストが販売されていない。また資格の更新など若干、資格の受験や維持などの手続きの情報が多いため、勉強方法と共に分かりやすく簡潔にまとめたい。

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資格名称 Salesforce認定 Marketing Cloud メールスペシャリスト
公式サイト https://tandc.salesforce.com/credentials
テキスト 市販本は無し
資格有効期限 バージョンアップ毎に更新モジュールの受講が必要
受験料 20,000 円 (税抜)
合格ライン 65%以上の正答数
合格率 非公開
試験方法 所定の試験会場での受験 or 現時点では自宅受験も可
試験形式 選択式問題 60問
試験時間 90分
合格証書 試験の合格時に PDF 形式にて自動送付(紙媒体での送付は行っていない)・ロゴのダウンロード
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※正確な情報は公式サイトを参照すること。

難易度と対策

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勉強時間 難易度
メールスペシャリスト 200時間 Googleアナリティクス認定資格の約3倍
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メールスペシャリスト資格の難易度は、所感としてはGoogleアナリティクス認定資格の約3倍ほどの難易度でかなり難しい。というのもこの試験、2回落ちた上でようやく3回目で合格することができたから。しかも3回目ですら余裕ではなかった。試験時間は90分と十分に時間はあるにせよ、問題が業務フローを想定した上で各機能を扱う手順を問う問題が多く、実際に実務を経験していなければなかなかイメージが沸きずらいものがある。とはいっても、実務経験が全くなくとも合格することは可能。業務フローを想定した問題といっても、各機能や試験範囲のMarketing Cloudの用語を正確に理解することで正答は導き出せるから。逆にいうと、用語の意味を曖昧に理解していると、ほぼ全体の試験の解答に自信が持てなくなってしまうため、一気に試験の正答率が下がってしまい不合格となるだろう。試験の実体験を要約するとこんな感じであり、私が2回不合格になった理由も用語の理解不足にあったことにある。

試験の準備にあたり、推奨コース(Marketing Cloud: メール基礎[前編][後編])が用意されているが、非常に高額であるため、個人負担ではなかなか厳しい面がある。まあこれは必須受講ではないので、受講しなくとも試験の申込は可能。ただ、Salesforce Marketing Cloud メールアプリケーションツールの実務経験がないと、「用語の理解」といっても中々難しいと思うので、できれば受講をしておきたい。受講にあたっては、テキストが紙本か電子媒体で配布されると思われるので、そのテキストがいわゆる「公式テキスト」として使える。タイミングが良ければヤフオクとかメルカリに講座で使われたテキストがオークションに出品されているかもしれないのでチェックしてみてもいいかもしれない。

推奨コースの受講が難しければ、Salesforceが公式に試験対策として学習できる「TRAILHEAD」を丹念に読み進めていき、都度用語の理解を「Trailblazer Community」で検索して確認する。どちらともGoogleアカウントでログインして利用する仕組みとなっている。用語は用語の意味と該当するヘルプのURLをまとめる形で整理して「用語集」を作成することをお勧めする。とにかくこの試験は、用語の理解が曖昧だと落ちるので、かなり用語の正確な理解に時間を費やした方がいい。

試験の申込手順

「Webassessor」という試験システムのアカウントを作成し、受験申込などは「Webassessor」から行う。試験結果なども「Webassessor」で確認することができる。詳細な手順は公式ページを見た方が分かりやすいので下記リンクを参照したい。

≫ 参考:試験の申込手順

試験に合格した後で構わないが、「Webassessor」は「Trailhead」とアカウントをリンクさせる必要がある。これは資格の更新を行うにあたって必須となる。

TrailheadアカウントとWebassessorアカウントのリンク手順

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資格の更新について

セールスフォースの資格は合格後に一年に一度、資格を維持するために更新を行う必要がある。資格更新には費用はかからず、Trailhead上で提供されるアップデート内容に関するコンテンツを読み、簡単なクイズに答え合格することで資格を維持することができる。そのため更新に関して新たに申し込む作業は発生せず、Trailheadにログインするだけでよい。

更新のタイミングに関してはセールスフォースよりメールによる通知がくるので失念の心配はない。ただ資格の更新に関しての期限が更新モジュールが提供されてから1年間となっているため、メールを見落としてしまい失効してしまうことは避けたい。そのため、少しだけ頭の隅にでも置いておきたい。
[su_quote cite=”よくあるご質問(FAQ) – Salesforce 認定資格更新プログラムについて” url=”https://tandc.salesforce.com/faq-maintenance”]Trailhead更新モジュールの提供期間は、1サイクルです。同資格の次の更新モジュールの提供が開始されるまでに、モジュールを完了しバッジ取得が必要です。[/su_quote] [su_quote cite=”資格の更新” url=”http://tandc.salesforce.com/release-exam”]「Trailhead の更新モジュールの提供期間は1サイクルです。例えば、Spring ’20 のモジュールは Spring ’21 のモジュールへの切替(2021 年 4 月頃)と同時に終了します。提供終了までに完了されなかった場合は上位資格も含め失効となりますのでご注意ください。」[/su_quote]

≫ 参考:資格の更新

関連書籍:そもそもSalesforceとは? 【最新順】

関連書籍:マーケティングオートメーション 【最新順】

Salesforce認定メールスペシャリストの資格はSalesforce Marketing Cloudメールアプリケーションツールを使用できるスキルがあることを証明できるが、MA(マーケティングオートメーション)の理解が乏しいままツールを利用しても、ツールの活用幅が限定的もしくは効率的ではない使い方で終始してしまう恐れがある。もちろん当資格ではツールの使い方に留まらず、包括的にMAの理解も学習することができるが、併せてマーケティングオートメーションに関する専門書を読むことで当資格を活かすためのスキルの幅が広がるだろう。

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