文系が統計検定3級を独学で合格するまでの勉強時間はどれくらい?

[su_quote cite=”Hal Varian”]“I keep saying that the sexy job in the next 10 years will be statisticians,” said Hal Varian, chief economist at Google. “And I’m not kidding.”[/su_quote] 世にある検定の3級は大抵難易度は低いものが多いけど、この統計検定3級にいたっては一般的な3級と呼ばれるレベルよりもかなり難易度が高い。というのも暗記系の検定ではないから。ただテキストを1回2回さらっと読んで受かる代物ではないと受験して感じた。ただこれは私のようにこれまで統計学とかは高校のときに勉強しただけであとは無縁であったから難しく感じるのであって、統計学を専門で大学のときに専攻していた人からみれば余裕で受かるだろうし、理系の学科を受験した人でも簡単だと感じるだろう。

過去の統計検定3級の受験記をネットで探してみると、理系の専門職に就いている人や、大学で統計学を専攻している人など数理リテラシー高めな層の受験者が多いように見受けられた。だからそもそも求めてる情報になかなかたどり着けない。その求めてる情報とはそういった理系の人たちのアドバイスではなくて、むしろ真逆の数学が苦手な人の受験体験談のこと。だったら私自身がそれに該当するので、一応、統計検定3級に受かった身として勉強方法を記すことが、この手の検索をする人たちが求めている情報だと思うので参考になればと思い受験記録をここに残す。

最初に勉強方法の結論を書いてしまうと、使用する参考書は公式テキストと公式問題集だけでいい。ただこのテキストは数理リテラシーの前提知識ありきで書かれているので、読解にかなり苦労する箇所がある。なのでそういう分かりにくい箇所はネットで調べれば分かりやすく解説してあるサイトがいくつかあるので、そちらで解決しながら学習を進めていった。

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公式サイト https://www.toukei-kentei.jp/
試験方法 試験日固定の紙媒体受験 or CBT受験
公式テキスト 改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定3級対応 データの分析
公式問題集 日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集[2018〜2021年]
有効期間 なし
受験料 4,000円(税込)
合格基準 100点満点で70点以上(難易度を考慮して調整されることがある)
試験形式 4~5肢選択問題(マークシート)
試験時間 60分
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統計検定3級の難易度・勉強方法

試験範囲は統計学の基礎の基礎だけれども、かなり難しい。暗記系の試験ではないので理解していないと解くことができない。とはいってもテキストに記載されていることだけを理解すればよく、試験範囲外の数学を学び直す対策は不要なので、文系だから受からないといったことはない。要はテキストを読んでも分からない箇所を理解するのに、1から数学を学び直すのは不要で、不明な箇所はピンポイントでネット上に分かりやすく解説しているサイトがあり学習を丹念に進めれば合格できる。

範囲は高校で学習する範囲と重複するようなので、現役の学生の方が合格するまでの負担は少ない。統計検定4級も用意されているようだけど、これは中学生向けであり、3級を学習する上で4級もカバーできているのでわざわざ4級を受験する必要性はない。何より4級の範囲を理解していれば3級の学習が捗るわけではないので4級の受験は飛ばしていい。

再度言うけど、この統計検定って理数系の学科を学んでいる学生や出身者・現在数値を扱う専門職に就いている人であれば3級の試験内容は平易だろうし、対策に要する時間も少なくて済むだろう。そうでなければ、どれくらいの対策時間が必要になるのか?といえば、ざっと3ヶ月くらいだが、このような数値は少なく見積もられることが多い。理由は必要以上に時間を多く割いたことをよりも、少なく時間を申請して、こんなに短時間で取得できた俺すげーって思われたいから。あとそれプラス、不合格の場合わざわざネットに記載しないので、なおさら短時間で合格することができるような印象が出来上がる。実際、短時間で取得できたごく一部の人たちはいるかもしれないけど、気にせず淡々を学習を続ければよいかと思う。そんなんで、過少申告せずに私の場合のリアルな学習時間を申告すると、ざっと100時間はこの統計検定3級に費やした。

統計検定3級の過去問

直近の問題は公式サイトに掲載されているので、書籍の問題集を解き終えた後に余力があれば解いておきたい。ただし回答に解説は付いていないため、分からない問題に関しては身近に聞ける人や知恵袋や理数系のQ&Aサイトを利用したい。
≫ https://www.toukei-kentei.jp/about/grade3/

試験中に感じたこと

試験問題が難易度を上げているのもあるけど、それプラス試験時間が短すぎるのも難易度を上げている大きな要素となっている。問題数が約30問に対して試験時間が60分では、1問にかけられる時間は2分。じっくり考えれば解ける問題であっても飛ばして時間が余った際に取り掛かった方が精神的に楽だと思うので、初見ですぐに解けそうか否かを判断して解き進めたい。問題に関してはすべてが計算式を使うわけではなくグラフから読み解く問題も多く出題されるため、難しい問題を解く際の時間を確保するためにも1分以内で解いておきたい。あと電卓は持ち込み可なので用意しておくこと。ルートの計算ができる電卓がよいのでなければ購入する。注意点としては必要以上の機能を持った電卓は持ち込み不可。

私はCBT方式で受験したが問題はPCの画面を見ながら行い、メモが必要であれば受験の際に渡されるホワイトボードを使うこともできる。ただ紙とシャーペンと違って書き込みに関しては不便なのは確か。CBTは問題が画面上に映されるので、問題に書き込みを入れながら解くこともできない。とはいっても記憶ではホワイトボードはあまり使わなかったので、それほどこの点が不利になることはあまりないだろう。

統計検定3級の使い道

1級レベルだと違う世界が開けるのかもしれないが、3級レベルだと一般常識なので単体で何か仕事をすることはできない。なので逆に言えば当然持っておくべき教養ではあるが、教養だからこそ思考の土台となるのでどの分野においても無駄にはならない。くらいにしか3級取得したくらいだとこれくらいのアドバイスしかできない。ちなみにこのブログの関係性からWeb広告での分野で統計学の活用意義について述べておくと、もちろん基礎的な概念は理解しておくべきだけど、特に不要。もちろん統計学を使ってWeb広告の成果を向上させることは可能だと思うので、エクセルで分析したりそのようなツールを開発するのは有りかなと思う。ちなみにもう既にそういった統計的分析による間接的効果を図るツールは既にあるけど、まだまだ参入の余地はある。

≫ 受験にあたり参考になったサイト
・Sci-pursuit

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