絞り込み部分一致とは?フレーズ一致との違い

絞り込み部分一致とは、登録キーワードの全てが検索クエリに含まれていた場合に、広告表示の機会が与えられる「構文の一致」のマッチタイプ。

絞り込み部分一致の特徴

絞り込み部分一致としてキーワードを設定するには、キーワードに先頭に[+]を付けることで機能する。

1つのキーワードのみ[+]を付けて配信することも可能で、その場合はそのキーワードが検索クエリに含まれていれば広告表示の対象となる。これと同様の配信として1つのキーワードに対して[“A”]とフレーズ一致でも配信することができる。2つのキーワードに対してそれぞれ[+A +B]のように設定することも可能で、この場合はAとBが検索クエリに含まれていた場合に広告の表示機会が与えられる。つまり、[+]を付けたキーワードが含まれていれば、広告表示対象となるということ。
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登録キーワード 検索クエリ 広告掲載可否
+A +B A B
+A +B A B C
+A +B A
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絞り込み部分一致とフレーズ一致との違い

フレーズ一致とは文字通り設定したキーワードのフレーズが考慮されるマッチタイプ。フレーズが考慮されるのでキーワードとキーワードに語句が含まれていた場合は表示されない。また、フレーズ一致では設定したキーワードの語順通りでないと広告は表示されない。
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設定キーワード 検索クエリ 広告掲載可否
“東京 福岡 格安航空券” 東京から福岡までの格安航空券
+東京 +福岡 +格安航空券 福岡から東京までの格安航空券
[/su_table] つまり、絞り込み部分一致とフレーズ一致の違いとは、キーワードのあいだを拾うか拾わないかと、語順を考慮するかの違い。この2つの違いを考慮する必要であればフレーズ一致を選択する意味があるが、なければフレーズ一致をカバーできる絞り込み部分一致を選択する。

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マッチタイプ 拾う範囲 語順
フレーズ一致 〇 キーワード ✕ キーワード 〇 設定した語順に限る
絞り込み部分一致 〇 キーワード 〇 キーワード 〇 順不同でもOK
[/su_table] キーワードとキーワードのあいだの語句では、「が」「を」「に」「の」「と」などの助詞が含まれているケースが多い。特に音声検索では顕著であり、現時点では音声検索の検索クエリは管理画面から確認できないため、フレーズ一致のみで配信している場合、このような取りこぼしに気付いていないケースがある。例えば「東京 福岡 格安航空券」も「東京から福岡までの格安航空券」も検索意図は同一であり、CVRに差はでないと推測される。逆に言えば、キーワードとキーワードのあいだの語句によりCVRが下がるケースでは、フレーズ一致を選択する。

絞り込み部分一致の検索クエリは検索意図が明確

検索クエリは多くなればなるほど、検索意図は限定されユニークなものとなる。それがランディングページでユーザーの検索意図を満たせるものであれば問題ないが、そうでな場合は検討が必要。これが絞り込み部分一致で成果が出ない大きな理由となっているケースがある。例えば、2語のキーワードを絞り込み部分一致で登録していて、もう1つの検索クエリが「地名」であった場合、おそらくその「地域」に関する情報を求めているのでCVには結びつかない。絞り込み部分一致によって、検索クエリの幅は広がるが、果たしてそれは見込みがあるのかどうかが、このマッチタイプを使用する上で必ず検証すべき分析視点となる。

絞り込み部分一致と部分一致の組合せについて

よくキーワードの片方にのみ[+]を付け、片方のキーワードには[+]を付けないことで、[+]を付けていない方のキーワードに対して部分一致の役割を持たせようとしている人がいるが、このようなやりたい仕組みは実現できない。実現できないというか、考え方がそもそも間違っているので当然。というのも、絞り込み部分一致は[+]を付けたキーワードが含まれていた場合に広告が表示されるため、片方のキーワードに[+]が付いていないからといっても、それは無視される。これは論理的に考えれば至極当然のことで、「そのキーワードが検索語句に含まれていた場合」に表示される絞り込み部分一致の挙動そのものである。

絞り込み部分一致の活用事例

絞り込み部分一致のみで運用しない

よく完全一致と絞り込み部分一致のみでアカウントを組む人がいるけど、機会損失につながっていることに気付いていない。むしろこのような組み方をしている人が多いのではないか。いちいち説明するのがめんどくさいのと、別に私のアカウントでもないので、成果が出せなくても私には関係のないことなので助言をしないというのもあるが、ちょっと勉強したくらいで聞く耳を持たなくなる勘違い野郎が多いのがこの業界の特徴なので、アドバイスは私はしない。では、なぜ絞り込み部分一致のみで運用すると成果が落ちるのかの理由については、説明が長くなるので、他の記事にでも書こうと思う。この点に関して、Google広告の公式ヘルプページに理由までは記載されていないが、言及されていることでもある。
[su_quote cite=”絞り込み部分一致について > 運用の指針” url=”https://support.google.com/google-ads/answer/2497702″]既存の部分一致キーワードは、編集したり削除したりせず有効なままにします。[/su_quote]

検索クエリから、絞り込み部分一致へ昇格させるキーワードの見つけ方

単純にCVが獲得できているキーワードを、絞り込み部分一致で登録すればよいという話ではないけど、1つの分析の方法として記述する。今、重要なことを言ったけど、ただCVが獲得できているキーワードを完全一致や絞り込み部分一致で登録すればいいという訳ではない。ただ、登録した方が良い場合は、下記の手順でキーワードを抽出する。

  1. 検索クエリをCVの降順でソートし、CVが発生している検索語句の中から、共通する2つの単語を探す。
  2. 抽出したキーワードをフィルターにかけ、絞り込み部分一致として登録した場合にCPAはどれくらいになるかを確認してCPAが下がるようであれば登録。

検索語句 > 次を含む > クエリA
検索語句 > 次を含む > クエリB

[su_quote cite=”絞り込み部分一致について > 運用の指針” url=”https://support.google.com/google-ads/answer/2497702″]これまで主に部分一致キーワードを使用していた場合は、関連性の高い絞り込み部分一致キーワードを追加する時点で入札単価の調整を検討します。クリック単価を引き上げることで、クリック数やコンバージョン数が増える可能性があります。[/su_quote]

≫ Google 広告 ヘルプ -関連リンク-
・絞り込み部分一致について
・絞り込み部分一致キーワードを設定する

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