完全一致のマッチタイプについて最近重要な仕様変更が行われた。これまで完全一致は「構文による一致」の位置づけであったが、「意味による一致」へと変更された。これにより多少昔に書かれた公式ヘルプページ以外のネット上に転がっている記事は現時点の仕様を反映していないことが多いので注意が必要。
完全一致とはマッチタイプの1つで、設定したキーワードとユーザーが検索をかけた検索語句と「意味」が同じであった場合に広告が表示される。「意味」が同じというのは、誤字脱字・語順の違い・略語・助詞や接続詞など、検索意図に影響しない範囲で、設定キーワードと検索語句が異なっていても構わないということ。なので設定キーワードと「検索意図」が異なる検索語句に対しては広告は表示されない。したがって、完全一致は検索意図を厳格に管理したい場合に用いられる。
意味による一致 | 構文による一致 | |
完全一致・部分一致 | ◯ | |
絞り込み部分一致・フレーズ一致 | ◯ |
ちなみに私はこの仕様変更は良い方向だと思う。検索意図が同じであればそれは一括りにしても問題がないし、機会損失を減らしてくれるのであれば歓迎する。
Contents
完全一致とは「語句」による「意味による一致」
アカウント構成を組む上で重要な視点が、「意味による一致」と「構文による一致」の違いを考慮すること。
完全一致の「意味による一致」と、部分一致の「意味による一致」と同一ではないことは注意が必要。
厳格(語句) | 寛容(検索意図) | |
完全一致 | ◯ | |
部分一致 | ◯ |
「意味による一致」の「厳格」と「寛容」の違いと説明すると、それは語句と検索意図の違い。完全一致の「意味による一致」はあくまで「語句」を考慮した上での「意味による一致」であり、「検索意図」よりも「語句」に比重が置かれている。
ヘルプページを読めば分かると思うけど、完全一致の拡張性とは、すべて語句に関することだ。さらに分かりやすくいえば、完全一致は、「語句」に対しての「意味による一致」であり、部分一致は、ユーザーの「検索意図」に対しての「意味による一致」である。
実務経験から得られた完全一致の活用事例
「完全一致」というテーマだけでもリスティング広告に活かせるテクニックは無数にあるが、それらの多くは細かいテクニックになるので、多くの運用者の頭の中だけに留まることになるが、私自身の知見の整理の為にも、今後無駄に記事数を増やすのではなく参考しやすい形で1つのテーマは1つの記事の中でまとめていきたいと考えている。
価値の高いキーワードのみ完全一致で登録する
完全一致のキーワードは、絞り込み部分一致で拾うことができるため、すべてのキーワードを完全一致と絞り込み部分一致で綺麗に登録する必要性はない。これをやると、検索需要がないキーワードまで管理することになり、管理が煩雑化する。ただ機械的に綺麗に整えることに意味はない。
完全一致で登録するべきなのは価値が高いキーワードでかつ検索需要がある検索語句に限って登録する。すべてのキーワードを完全一致で登録してしまうと、どれが価値のある完全一致のキーワードが分からなくるが、価値のあるキーワードに限り完全一致で登録することで混乱を防げる。
また、完全一致で登録することで、その設定キーワード≒検索語句のインプレッションシェア・CTR・掲載順位が把握できるため、価値のあるキーワードを、より価値のあるキーワードへ調整していくことができる。このような手間をすべてのキーワードで行うのは無理であるため、価値があり検索需要があるキーワードのみ完全一致で管理する必要がある。
逆に価値の低いキーワードを完全一致で登録する
矛盾するが、逆に価値の低いキーワードを完全一致で登録するケースもたまにある。このケースでは絞り込み部分一致の配信の中で、完全一致の検索語句に比重が寄り過ぎていて、配信ボリュームを抑えたい場合。つまり、絞り込み部分一致の中で管理できない場合のとき。除外キーワードとして設定はしたくないが、ボリュームを抑えて配信したいときは、完全一致のキーワードを別キャンペーンで管理し、そのキャンペーン以外のキャンペーンに、完全一致のキーワードを完全一致として除外設定をする。これにより、完全一致のキーワードに引っ張られていた絞り込み部分一致キーワードでは、予算による損失が発生していた場合、より多様な検索語句に対して広告表示が可能になる。
≫ Google 広告 ヘルプ -関連リンク-
・完全一致
・完全一致を使用する
・成果拡大と管理性向上に向けたマッチタイプの活用
・検索の意図を類似パターンと一致させる