指名キーワード(ブランドキーワード・社名キーワード)を登録すべきかの私の見解は、大方登録した方がよいケースが多いと思うけど、一概に登録するか否かの判断を出すことはできない。それはコンテキストによるところが大きいから。
例えば、ECサイトや店舗型ビジネスの場合は指名キーワードで出稿することのメリットが大きいけど、自然検索で自社が1位でかつ他社のリスティング広告が表示されていなければ出さない選択肢も場合によってはありだと思う。つまり、「自然検索で獲得できるのであれば、その分の指名キーワードによるリスティング広告によるコストは無駄ではないか」という意見がよく出てくると思うが、これは真っ当な見解であり、この議論の要点を示す的を得た問いかけである。
整理すると、指名キーワードでリスティングを出すことでさらに獲得件数を伸ばせる可能性と、指名キーワードによるリスティング広告のコストを天秤にかけて、この2つをどちらかを取るのかの最善な判断することが、この問題の解答なのではないかと私は考える。そのための、最善な判断を下す手掛かりとして、後述する指名キーワードでリスティング広告を出稿することのメリットが、メリットにならなそうであれば、指名キーワードで出稿する必要性はないかと思うし、逆にコストはかかっても獲得件数をさらに伸ばし、利益を拡大できそうであれば指名キーワードで出稿した方がいいというのが、私の回答になる。
目次
指名キーワードのアカウント構成
指名キーワードのマッチタイプは、[完全一致]と[部分一致]で構成する。同一グループに混在させてもよいし、分けても構わない。ただ、[絞り込み部分一致]は経験上、使う必要性がないのかなと感じる。というのも、指名キーワードで[絞り込み部分一致]と[部分一致]を登録しているアカウントの成果を見てみれば分かると思うけど、部分一致の方が成果が良いずはず。これは関連性の高い検索語句まで拾えているというのもあるけど、指名キーワードでも成果に結び付かない検索語句が多々あるケースの場合、その検索語句に対して永遠に反応してしまうのが、絞り込み部分一致というマッチタイプの特徴であるから。対して部分一致は成果に結び付かない検索語句に対しては、次第に広告表示がされなくなるので、動かし続けることでターゲティングの精度が高くなる仕組みがある。
[su_quote cite=”部分一致を使用する > 部分一致が役立つ場面 -Google 広告 ヘルプ” url=”https://support.google.com/google-ads/answer/2497828″]広告のクリックにつながらないキーワードのパターンがある場合、そのパターンや類似の検索語句に対する広告の表示が直ちに停止されます。[/su_quote]
指名キーワードを登録するメリット
単に、コストがかかるという理由であれば、むしろ指名キーワードを出稿する様々なメリットにより、指名キーワードを出さない選択肢よりも、出した方がトータル的にみれば割にあうのではないか。リスティング広告はユーザーの検索経路を統合的に捉えCPAを合わせていく運用型広告であるため、安直なコスト観点からのみ判断するのは誤りである。
そもそも指名キーワード以外のキーワードで拾ってしまう
指名キーワード以外のキーワードを部分一致で登録している場合、そのキーワードで指名検索のクエリを拾うことがある。これを防ぐために、自ら指名キーワードを除外キーワードを設定することで対処できるけど、わざわざこんなことをしてまで、指名検索に対して広告を出さない理由があるのかどうか。そもそも指名キーワードで広告が表示されてしまうのであれば、指名キーワードに対して専用の広告文を用意して、こちらが表示されうようにした方がよいのではないか。
他社への流出を防ぐ
自社キーワードでも、他社がそのキーワードを登録している場合や、部分一致で反応して、自社キーワードに対して広告表示がされてしまっている場合は、広告ランクの兼ね合いから、他社よりも低単価で1位表示は可能になるので、顧客の取りこぼしを防ぐためにも、登録した方がよい。
CPCを低く抑えられる
指名キーワードは一般的にクリック単価は低く抑えられることが多い。これは広告とランディングページがユーザーの検索ニーズをカバーすることができているため。
広告表示オプションを活用できる
オーガニックでは実装できない、多くの広告表示オプションを活用することができるし、安価なCPCでこれらの広告表示オプションを表示させ恩恵を享受することができる。
サイトリンク表示オプション
広告タイトルの遷移先の他にも、サイトリンク表示オプションを活用することで、追加して遷移させたいページへと誘導させることができる。また、指名キーワードは広告ランクが高くなることが想定されるため、設定したサイトリンク表示オプションが表示されやすく、サイトリンク表示オプションに対しての説明文も表示されやすいため、ユーザーにとって利便性の高い広告文を表示させることが可能になる。
[su_quote cite=”サイトリンク表示オプションについて > 仕組み -Google 広告 ヘルプ” url=”https://support.google.com/google-ads/answer/2375416?hl=ja”]サイトリンクに情報を追加すると、見込み顧客に表示される広告の関連性がさらに高まります。[/su_quote]
電話番号表示オプション
サイト遷移前の段階でユーザーに対して電話の選択肢を与えることができる点は重要。なぜなら広告文の段階ではユーザーに与える情報量は少ないため電話アクションをおこさせる可能性を上げることができる。同一ユーザーでもサイト遷移後では電話をかけるアクションは取らないかもしれない。また運用側の利点として電話番号表示オプションによってCV件数の増加が見込める。
部分一致で配信
指名キーワードを部分一致で登録することで、CV獲得数を増やすことができる。というのも、部分一致はそのキーワードに対して関連性の高い検索語句に対して広告が表示されるため、獲得につながりやすい検索語句に対して広告表示がされやすいから。例えば、多くの商品を取り扱っていたり、型番で検索される商品を扱っている場合は、これらに対しても指名キーワードで広告表示されるため獲得件数の増加が見込める。さらに自社商品だけでなく、他社商品の型名にも反応するため、指名キーワードを部分一致で登録するメリットは大きい。
アトリビューションの分析に活かすことができる
アトリビューションの中で指名キーワードの貢献度が正確に分かる。
ローカル検索広告においてCTs・CTRが高くなる
指名キーワードはローカル検索広告で表示される可能性が高くなる。またCTRも一般キーワードと比べても高く、電話アクションも指名キーワードが最も高くなる。
[su_table]
12回:3.7% | 46回:13.9% | 10回:3.0% | |
2回:0.7% | 12回:4.2% | 10回:3.5% | |
0回:- | 7回:2.1% | 4回:1.2% |
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