ブログのリライトとは一度アップした記事の見直しをかけることで、記事の完成度を上げるために実施する。というのも一発目で完成度が100%の記事が書けていることは少なく、そもそも100%でないことが分かっていて記事を公開しているケースはよくあることだから。
未完成の記事を公開することに対しての個人的な理由でいえば、記事を完成させる気力が尽きたとか、記事を書き終えるまでに時間がかかるから取り敢えずGoogleからのクローリングを済ませておきたいとか。だいたい最終的な順位が付くのは半年くらいかかるため、完成するまで待つとなるとその分、評価されるまでの期間が長くなるという理由など。
正直この記事に関しても「Googleデータポータルを活用」すると言いつつ、Googleデータポータルの設定に関しては詳細に触れていないので手抜きである。なのでまたリライトする余地が大幅に残されているといえるが、そこまで注力している記事ではないため、Googleデータポータルに興味がある人は、丁度Googleデータポータルを解説した最新刊『Googleデータポータルによるレポート作成の教科書』が出たので手に取って頂きたい。
話を戻すと、つまりは「リライト」としての記事作成の方法が特段あるわけではなくて、完成度の高い記事を作成するという目的は変わらないということで、この点は重要。なので「リライト」を広義の範囲で解説すると、結局は「通常の記事作成」の解説と変わらなくなってしまうので、今回解説する内容は「リライト」として記事を見直すまでの着眼点に重きを置く。
あと、他の「リライト」に関する検索上位に上がっている記事を読んでみて思ったこととして、さっきも書いたとと重複するけと結局「記事の作成方法」になってしまっているということ。「リライト」とは記事の見直しをかけるタイミングに実施する作業や「リライト」だからこそ可能な補填できる施策があるわけで、ここに限定しないと「リライト」に限定した解説にならないと思うのですよ。
ということで本題に入っていくけど、当記事では特に「Googleデータポータル」を活用してリライトを実施する「分析視点」や「タイミング」に重点を置いて解説する。そのあとやることは「完成度の高い記事」を作成するという目的は変わらないので、記事の書き方については特段ここで解説する意味はないため省略する。
余談だけど、なぜか「Googleデータポータル」を活用する方法を解説する記事ってないよね。「Googleデータポータル」を知らないか、使い方が分からないんだと思うけど「Google Search Console」を直接操作するよりも、ずっと視覚的に判断しやすくなるので「Googleデータポータル」を使いこなしていくことをお勧めする。
もう少し言うとSearch Console上で比較期間を設定してキーワードの比較をしてリライト対象を洗い出す方法とかよくみるけど、実際問題それってかなり面倒だし、管理しているキーワードを一覧網羅して比較していくのってかなり手間だと思う。さらにSearch ConsoleからデータをEXCELに落として分析していくとかは七面倒くさく効率が悪すぎなので止めた方がいい。こういう説明をする人って、ほんとにこんな面倒くさいことをしているのか甚だ疑問。
目次
リライトの分析視点
キーワードの順位変動
管理しているキーワードの順位を追うことはSEOにおいて必須。キーワードの順位を視覚的に分かりやすく一覧化するには専用のツールを使うのが手っ取り早い。個人的にはGRCしか使ったことがないから他のツールとの使い勝手の比較はできないけど、必要十分な機能が備わっており価格帯も非常に安価でありかなりお勧めできる。
基本的にはまずはGRCの順位変動をみて下降を続けているキーワードがリライトの対象となる。もう少し具体的にいうと、1ページ目から2ページ目へ順位が下がってしまったキーワードが対象になる。理由は2ページ目以降に順位が下がってしまうと、2ページ目以降に遷移するユーザーは限りなく少なくなるため。タイトルのクリック率を除けば、リライトの対象となる記事をピックアップする方法はこれだけで十分。
ただし注意するべきことは新規記事をアップしてからは、半年間は順位が安定化するまでにかかるので、この期間中に順位が上がらないからといってリライトを行うことは徒労に終わる可能性もあるので避けるべき。もちろん完成度の高い記事を目指して部分的に修正を加えるのは、どのタイミングでも何回でもするべきだし悪影響もないけど、順位が上がらないからといって全体を見直して書き直す必要はない。要は順位が安定するまでの半年間は待って、その間は新規記事を作成するか、半年経過した他の記事をリライト対象とするかということ。
あともう少し補足しておくと、順位が上がらないから必ずしもリライトが必要であるわけではない点にも留意したい。というのも必ずしもコンテンツの質が高かったとしても、それが正確に順位として評価されるわけでもないし、特に現在のSEOはドメインパワーが非常に重要になってくるため、コンテンツの質だけでは太刀打ちできなかったりする。なので十分に質が高いと判断できるのであれば、そのコンテンツが正しく評価されるまで待つという方法もあることも考慮しておきたい。期待が持てるのは年に数回あるコアアップデートのときで、そこで一気に順位が改善されることもある。
まとめると、リライトする「タイミング」は、GRCの順位チェックだけで十分であり、以下解説していくことは個人的な趣味みたいなもの。ただキーワードの順位だけだと、あくまでキーワード単体の評価であるので、記事単位の分析も必要だと考えている。というのも分析軸がキーワードと異なるし、キーワードだけみていても気付けないことが多いから。
タイトルのクリック率
オーガニックの検索順位にはそれぞれ目安となるCTR(クリック率)があるので、その順位相応のCTRが付いているか確認する。CTRが低ければタイトル名に問題があるということなのでタイトル名を改善する。
この段階ではユーザーは検索結果上のどのタイトルをクリックするかを決めかねており(一瞬だが)、純粋にタイトルの修正だけで改善できる箇所であるため、ここを疎かにするのは非常に勿体ないといえる。要はコンテンツの質がすばらしくても、タイトルで「損」をしているので修正しましょうということ。
また反対に順位相応以上に高いCTRが付いている場合は、CTRを高くするためのタイトル付けの参考にもなるので、こちらのケースも合わせて確認することで今後のタイトル付けに活かすことができる。
あと補足するべき点は、改善対象となるタイトルは「1ページ目」にランクインしている記事を対象とすること。2ページ目からは極端にユーザーの遷移数は落ちてしまうので、タイトルを変更してCTRの変化を検証することは難しくなるため着手しない。つまりは2ページ目以降での改善ポイントは「タイトル」ではなく「コンテンツ」になるということ。
ちなみにCTRはキーワード単位で抽出している。理由としては記事単位のCTRも扱うことはできるが、記事単位でカバーしている検索語句は様々であり、CTRもバラバラであるため合算した値は参考にはならないため。
Organic CTR 基準値の見方
参考にする自然検索のクリック率の値は検索して探し、必要であればカスタマイズして使用する。個人で使用する分にはそのまま画像として貼り付けてもよいが、スプレッドシートで表を作成し[URLの埋め込み]機能で連携させると値の修正がしやすくなる。
バブルチャート(x軸:表示回数 y軸:平均順位 バブルサイズ:クリック率)の見方
バブルチャートは視覚的に判断しやすくなる。表で作成する場合は「書式設定」で色付けすると対象となるキーワードの判断がしやすくなる。
- 9位~12位に位置しているキーワード1ページに入るか入らないかに位置しているキーワードはあともう少し順位が上がるだけで大きな流入増加が見込めるため、記事の内容をリライトする。
- 表示回数が大きい&順位に対してCTRが低いキーワード円の大きさはクリック率の大きさを表しており、横軸の同一線上を見て相対的に円が小さいものをタイトルの改善対象としてピックアップする。かつx軸の右側ほど表示回数が多いキーワードは改善の影響が大きくなるため優先的に着手する。
- 平均順位は低いがCTRが高いキーワード平均順位は低いがクリック率が高いキーワードは、多くのユーザーが2ページ目まで遷移しているということであるので、これらのキーワードはタイトルの改善よりも、コンテンツをリライトし1ページ目まで順位を上げることを優先する。
記事単位の分析
記事単位の分析を行うことで、キーワードだけの順位を追っていても気付けない点が多くある。
- どの記事をリライトするべきかキーワード単位の順位を追っていても、どの記事をリライトするべきかの優先順位を判断するのは難しいけど、記事単位の流入数の増減を期間前後で比較することで、大きく流入数が減った記事から着手するべきだということがひと目で分かる。
- どの記事の潜在能力が高いのかキーワードの順位だけだと、そのキーワードの順位を上げることでどれくらいのインパクトがあるのか判断しにくいが、記事としてのまとまりで見ることで、どの記事に注力するべきかは「表示回数」と「検索語句の幅」で目星を付けることができる。これはキーワードの月間検索需要をGoogle広告のキーワードプランナーで確認するだけでは分からないことだから。なんでかっていうと各記事がカバーする検索語句の幅がそれぞれ異なり、検索語句の幅が広い記事を上位表示させることができればキーワードプランナーで確認できる以上の流入数が期待できるという理由から。さらにもう少し補足すると、その記事がコンバージョンにつながるのであれば尚良い。
- 意図していないキーワードの流入これはSearch Consoleの確認作業になるけど、意図しているキーワードから流入しているかは当たり前だとして、「意図していない」キーワードからの流入が多くあるかどうかを確認する。意図していないだけあって、そのキーワードについてはメイン扱いしていないはずなので、コンテンツを補強するなどの施策を打つ。例えば見出しとしてコンテンツを追加したり、記事の先頭に持ってきたりなど。
- 「再検索キーワード」を参考にする「再検索キーワード」とはユーザーが自分の記事を閉じたあとに再度検索に用いたキーワードであり、拡張機能の「Extract People also search phrases in Google」を使うと確認するのがかなり楽になるのでお勧め。このような「再検索」はSEOではマイナスだとされていて、なぜなら記事を読んでも「疑問」が解決されなかった可能性があるから。対策としては「再検索キーワード」についてコンテンツとして追加する他、追加できないようであれば別の記事として新たに作成することや、外部サイトであっても外部リンクとして記事の中で遷移させてもいい。
ここで紹介した「Googleデータポータル」の使い方を覚えるのは実際に使ってみるのが1番手っ取り早い。連携させるのはGoogleアナリティクスやSearch Consoleをつないで、こういうレポートがあれば便利だと思うものを自作していくといい。以下の書籍は大変参考になった。